ルームシェアと同棲の違い

現在流行しているルームシェアとは

ほんの数十年前まで、血縁関係のない他人同士が同一世帯で生活をすることに関しては厳しい視線が注がれてきました。
トイレやお風呂を共同にして個人部屋を持つというケースは決して少なくなかったのですが、そうした物件でも自分の部屋を賃貸するのは世帯主である一人だけという扱いがされてきました。

ですが日本においてもようやく欧米式のシェアハウスやルームシェアという形態が一般に導入されるようになってきたことにより、かなり不動産物件の賃貸における選択幅は広くなりました。

しかしながら全くの他人同士が家賃や光熱費負担を減らすために一つの物件を共有するルームシェアと、最初から恋人同士として住むことになる同棲とはかなり細かい部分に違いがあります。

不動産会社にとっては他人が同一の世帯に住むということで認識が一致しているかもしれませんが、実際に住む二人は同じ認識で生活をしていくことはできません。

結婚生活とは違うとはいえ、仮にも恋人という関係で生活をしていくことになるのですからそれなりの責任は果たすべきという認識は持っておくべきといえるでしょう。

相手への甘えは禁止事項です

シェアハウスやルームシェアの場合、最もトラブルになりがちなのが共有部分の使用方法です。
他人との物件共有の最も大きなメリットは、一人暮らしでは使用する頻度の少ないバスルームやトイレ、キッチンといったところを共有して使うことができるということです。

しかし共有するとはいえそこで一緒に生活をするのは全くの他人であることから、使用をしたあとの清掃や破損については十分に注意をする必要があります。

これが同棲ということになると、ルームシェア同様に他人との生活であるにも関わらず相手が自分の恋人であるという甘えから、ついつい「このくらいはいいだろう」というようなだらしない使い方になってしまうことがあります。

つきあい始めの頃こそ家事が得意な方がそれをフォローするのですが、あまりにも長く続くとそれがもとで決定的なケンカになってしまったりします。

同棲とルームシェアの最も大きな違いはあらかじめ人間関係ができているかということになりますので、緊張感がないままに同棲生活に入ると物件の使用方法について同棲相手から強い批難を受けることになってしまうことになるかもしれません。

また、ビジネスライクで入所者との契約をするルームシェアに比べ、個人間での感情がもとになる同棲では関係がこじれたときにトラブルが大きくなってしまうことがよくあります。

相手の生活態度に著しい迷惑があったときに一方的に退去を勧告することができなかったり、退去となったときに家財道具をどちらの持ち物にするかで大きく揉めてしまいます。